2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体内CRIP法を用いたRNA結合蛋白質Musashiの翻訳制御標的遺伝子探索
Project/Area Number |
19700348
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今井 貴雄 Keio University, 医学部, 助教 (10383712)
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Keywords | 神経幹細胞 / 蛋白質 / 翻訳調節 / RNA / 幹細胞 / Musashi / 神経系 / RNA結合蛋白質 |
Research Abstract |
RNA結合蛋白質Musashil(以下、Msil)を特異的に認識る32種のモノクローナル抗体を、バキュロウィルス膜上露出法によるマウスへの免疫とその後のハイブリドーマ選択によって得た。次に、外来的に遺伝子導入して発現させたMsil蛋白質を特異的に免疫沈降可能なモノクローナル抗体を32種の内より10種選別した。さらに、P19細胞に発現している内在性のMsil蛋白質を効率よく免疫沈降できるモノクローナル抗体を、10種の抗体の中から2種を選別した。Msilの標的RNAを免疫沈降法で効率的に採取可能なモノクローナル抗体を得ることに成功した(東京先端研・分子生物医学部門の浜窪隆雄教授・望月康弘准教授との共同で行った)。 Msil-標的RNA複合体の濃縮精製を行い、標的RNAの同定を行う件であるが、計画に記した生体内cRIP法による蛋白質-RNA複合体の濃縮が困難であったため、代替法としてin vitro virus法(以下IVV法、慶大・理工学部・柳川弘志教授らと共同)と特異的抗体による免疫沈降を組み合わせた手法を採択することにより遂行した。 無細胞翻訳系で翻訳して精製したMsil蛋白質と胎生期12日目マウスの終脳領域由来ライブラリを使用してMsil蛋白質の免疫沈降とIvv法によるMsil親和性分子の検索を行ったところ、幼弱神経細胞に発現しており細胞の移動に関与する遺伝子(X)のmRNA,他3種mRNAのいずれも3'-UTRがMsil親和性RNAとして同定された。 Msil蛋白質がX遺伝子のmRNAに結合すること、さらに、Msilがその結合部位を有する剛Aの翻訳を抑制することについて培養細胞を用いた系で明らかにした。これらより、神経幹細胞において、MsilがX遺伝子のmRNAの翻訳を抑制し、神経幹細胞において細胞の遊走能を制限していることを示唆する結果を得た。
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Research Products
(3 results)