2008 Fiscal Year Annual Research Report
GABAB受容体を介した上丘ニューロンのバースト発火終了機構の解明
Project/Area Number |
19700361
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
金田 勝幸 National Institute for Physiological Sciences, 発達生理学研究系, 助教 (30421366)
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Keywords | 上丘 / バースト発火 / サッケード / GABA作動性ニューロン / GABAB受容体 / 局所神経回路 |
Research Abstract |
昨年度の研究により、上丘中間層のバースト発火の生成には浅層でのNMDA受容体を介したバースト発火が重要であることを見出した。そこで本年度は浅層でのバースト発生に重要であると考えられるwide-field vertical(WFV)cellの活動がどのように上丘局所GABA作動性ニューロンによって制御されているのかをスライスパッチクランプ法を用いて検討した。その結果、以下のことを見出した。1、WFV cellでは視神経刺激により、単シナプス性のEPSCに続き2シナプス性のIPSCが数ミリ秒後に誘発され、その減衰時定数はIPSCのほうがEPSCよりも有意に大きく、そのために連続刺激によるIPSCアンプリチュードの増大はEPSCに比べて有意に大きかった。このようなIPSCの性質により連続刺激によってもWFV cellはバースト発火を生じないと考えられた。2、アセチルコリンはGABA作動性ニューロンの軸索終末に作用することでGABAの遊離を増大させることが報告されている。WFV cellの樹状突起の遠位部と近位部にアセチルコリンをパフ適用したところ、遠位部よりも近位部においてGABA作動性入力が強いことがわかった。さらに、GABAA受容体アンタゴニストを近位樹状突起に局所適用した場合に、遠位樹状突起の場合よりも強いバースト発火が誘発された。3、F-により細胞内からGABAA受容体をブロックし、視神経を単発刺激してもバースト発火は誘発されなかったが、連続刺激によりバースト発火が誘発されたことから、単一細胞のGABAA受容体をブロックするだけではバースト発火を誘発するには不十分で、周囲の協調的な興奮性の増大が必要であると考えられた。以上の結果は、上丘局所GABA作動性ニューロンによる正確なfeedfbrward抑制がWFV cellの活動を制御していることを示している。
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Research Products
(6 results)