2007 Fiscal Year Annual Research Report
ApoE欠損マウスを用いたプラーク破綻モデルのメカニズム解明-炎症反応との関連性
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19700366
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 健 Hamamatsu University School of Medicine, 浜松医科大学・技術部, 技術職員 (20397433)
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Keywords | プラーク破綻 / 動脈硬化 / 炎症性細胞 / 細胞外マトリクッス / MMPs / カテプシン / マクロファージ / 好中球 |
Research Abstract |
ApoE欠損マウスを用いたプラーク破綻モデルのメカニズム解明-炎症反応との関連性 粥状動脈硬化巣のプラーク破綻は、心筋梗塞などの極めて重篤な疾患の引き金となるが、このプラーク破綻のメカニズムは不明な部分が多い。このメカニズムに関して、動脈硬化の進展やプラーク破綻には血管(動脈硬化巣)の炎症反応が関与しているという仮説が注目されている。一方、本研究者はプラーク破綻を誘起する簡便な動物モデル手技を作成し2006年に報告した。本研究では、このプラーク破綻動物モデルを用い、プラーク破綻のメカニズムにおける炎症反応(炎症性細胞やそれらが分泌するプロテアーゼ)の関与を検討することを目的としている。 【現在までの結果】 本プラーク破綻モデルにおいて、ヒトプラーク破綻と同様に炎症性細胞であるマクロファージ、好中球、T細胞の破綻部位への浸潤が確認された。また、これらの炎症性細胞に由来すると思われるプロテアーゼの発現も観察され、それらプロテアーゼのうちMMP-8とMMP-9がプラーク破綻に伴なって上昇していた。一方、本モデルにスタチンやARBを投与すると、炎症性細胞やプロテアーゼの抑制が観察され、それに伴なってプラーク破綻も有意に掬制された。さらに、異なる動脈硬化巣進展モデルを用いた実験においても、ARBによるプラーク安定化とプロテアー抑制ゼ(MMP-8、-9、カテプシンS)の関連性も示された。 以上の研究成果は、プラーク破綻モデルの作成に関する内容を著書として二冊の書籍(Methods in Molecular Medichle、血栓症・動脈硬化モデル動物作製法)において公表し、また炎症反応抑制とプラーク破綻抑制の関連性を示す結果は、動脈硬化学会や血管生物医学会などの学会・研究会において発表した。
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Research Products
(14 results)