2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変技術を用いた簡便で安定なマーモセットES細胞の開発
Project/Area Number |
19700370
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
塩澤 誠司 Keio University, 医学部, 助教 (10447039)
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Keywords | 発生工学 / マーモセット / ES細胞 |
Research Abstract |
マーモセットやヒトのES細胞は、全ての細胞系譜に分化しうる多分化能と、自己複製能を有するものの、増殖能やマーカー遺伝子の発現パターン、成長因子に対する応答性などの点ではマウスES細胞とは大きく異なり、培養や遺伝子改変が難しい。本研究課題では、マーモセットES細胞における標的遺伝子組み換えを目指し、マーモセットES細胞の培養及び遺伝子改変をより簡便に行う技術の開発を行っている。最近ヒトES細胞の増幅に対して有効性が報告された、RhoキナーゼインヒビターであるY27632が、検討の結果マーモセットES細胞においても有効であることが分かった。この薬剤の使用によって、マーモセットES細胞の増幅が容易になり、大量のマーモセットES細胞を調製することが可能になった。この技術を利用し、通常マウスES細胞で遺伝子導入に用いられる、エレクトロポレーション法の条件検討を行った。その結果、高い効率でリポーター遺伝子を導入可能な条件を決定した。この条件を利用して、安定的に外来遺伝子を発現する細胞株の樹立を試みた。ヒトEflalphaプロモーター支配下で、2Apeptideの配列によって連結された緑色蛍光タンパク遺伝子及びネオマイシン耐性遺伝子を発現する外来遺伝子を構築し、マーモセットES細胞へ導入した。その結果、一回のエレクトロポレーションによって22個の薬剤耐性コロニーが得られた。その内6クローンを継代培養し、安定的に緑色蛍光を呈する細胞株の樹立に成功した。この成果を元に、現在テトラサイクリン誘導性発現システムの構築を行っている。
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