2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型IgG抗体を産生する新規ヒト化NOGマウスの開発
Project/Area Number |
19700373
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
伊藤 亮治 Central Institute for Experimental Animals, 実験動物研究部・免疫研究室, 研究員 (60425436)
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Keywords | ヒト化マウス / B2細胞 / ヒト型抗体 |
Research Abstract |
本研究は、重度免疫不全NOGマウスへヒト造血幹細胞を移入しヒト免疫系を再構築させ、従来不可能であった抗原特異的なヒト型IgG抗体を産生するモデルマウスの作出を目的としている。本研究により正常なヒト免疫系をマウス体内で構築できれば、将来的には様々なヒト疾患モデルとしての応用や、その治療薬の試験などへの使用が可能となる。さらに、ヒト型IgG抗体産生の誘導により、癌や自己免疫疾患等に用いられる治療用完全ヒト型抗体を作製する系としても有用であることから、幅広い応用が期待できる研究である。 平成19年度は、ヒト型抗体産生B2細胞の分化、成熟、もしくは二次リンパ組織の構築に必要なキーファクターとなる遺伝子(IL-7, CXCL13, Lymphotoxin)を導入したトランスジェニックNOGマウスの作製を試みた。これら3種の遺伝子は、クローニングした後にいずれも全身性に発現するプロモーターを有するベクターへ導入した。ただし、Lymphotoxinはベクターの作製に時間を費やしたため、本年度のトランスジェニックマウス作製は実施しなかった。さらに各々のベクターDNAをマイクロインジェクション法によりマウス受精卵へ注入して個体作製を行ったところ、IL-7遺伝子を有するTgマウスは産子45匹のうち8匹、CXCL13遺伝子を有するTgマウスは産子57匹のうち5匹が得られた。これらTgマウスの血漿および血球を採取し、ELISA法または細胞内サイトカイン染色によりタンパクの発現解析を行った。その結果、IL-7,CXCL13両Tgマウスの全個体で当該遺伝子の発現は認められなかった。19年度実験計画に記載したように発現個体が得られなかった場合の対応策としてプロモーターをMHC-classIIに変更し、新たにTgベクターを構築した。20年度は本ベクターを導入したトランスジェニックマウスの作製を行う。
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