2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型IgG抗体を産生する新規ヒト化NOGマウスの開発
Project/Area Number |
19700373
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
伊藤 亮治 Central Institute for Experimental Animals, 実験動物研究部・免疫研究室, 研究員 (60425436)
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Keywords | ヒト化マウス / B2細胞 / ヒト型抗体 |
Research Abstract |
重度免疫不全NOGマウスはヒト細胞の生着性が極めて高く、ヒト造血幹細胞を移入すると成熟したヒトT, B細胞が分化することからヒト疾患モデルとしての応用が期待されている。しかしながら現状NOGマウスに再構築されたヒト免疫系は、抗原特異的IgG抗体が産生されず極めて不十分であることが知られている。本研究ではヒトT, B細胞を正常に機能させるために重要なヒト遺伝子を導入したトランスジェニックNOG マウスを作製し、ヒト型IgG抗体を産生するヒト化マウスの開発を目的としている。 平成20年度は、ヒト型抗体産生B2細胞の分化、成熟、もしくは二次リンパ組織の構築に必要なキーファクターとなる遺伝子(インターロイキン7 : IL-7 およびリンホトキシン:LT )を導入したトランスジェニックNOGマウスの作製を継続して行った。ヒトIL-7遺伝子はMHCクラスIIプロモーター、ヒトLT遺伝子はCMVプロモーターを有するべクターへそれぞれ導入し、これらをマイクロインジェクション法によりマウス受精卵へ注入して個体作製を行った。その結果、IL-7 遺伝子を有するTgマウスは産子25匹のうち2匹、LT遺伝子を有するTgマウスは産子87匹のうち1匹が得られた。次にこれらTgマウスの血漿を採取し、ELISA 法によりタンパクの発現解析を行ったところ、IL-7, LT Tgマウス共に当該遺伝子の発現が認められた。21年度では得られたTgマウスへヒト造血幹細胞を移入して、ヒトT,Bまたはその他免疫細胞の分化およびヒト型抗体の産生等について解析を行う。
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