2007 Fiscal Year Annual Research Report
レンチウイルスベクターを用いたジーントラップ法の開発
Project/Area Number |
19700375
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 智之 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体情報統合技術開発チーム, 開発研究員 (80392158)
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Keywords | Gene Trap / レトロウイルスベクター / レンチウイルスベクター / Integration Site / トラップ効率 |
Research Abstract |
21世紀に入りヒトゲノムの解析が終わったことで本格的にポストゲノム時代を迎えた。約2万2千個の遺伝子の存在が明らかとなったが、そのほとんどは機能が分かっていない。そのため今後は迅速な遺伝子機能解明のための技術開発が必要となる。現在広く行われている遺伝子の機能解析の方法はノックアウトマウスの作製あるが、この方法は時間と労力と費用のかかることが大きな欠点である。迅速な遺伝子解析を行うにはGene Trap法が最も適している。現在Gene Trap Vectorの細胞への導入はレトロウイルスベクターが広く用いられているが、最近の報告でレトロウイルスベクターよりもレンチウイルスベクターのほうが遺伝子内に挿入されやすいという結果が得られている。そこで本研究ではレトロウイルスベクターとレンチウイルスベクターをベースとしたGene Trap Vectorの遺伝子トラップの効率と挿入部位の指向性の違いをマウスES細胞において検討した。その結果、遺伝子がトラップされる効率はレトロウイルスベクターのほうがレンチウイルスベクターより5倍高かく、遺伝子挿入部位も5'端から10%の位置に挿入される確率は約2倍高かった。一方で、遺伝子をコードしていない領域に挿入される確率はレトロウイルスベクターのほうがレンチウイルスベクターよりも約5倍たかく、さらにレトロウイルスベクターでトラップされた遺伝子のほうが遺伝子の重複が多かった。これはレトロウイルスでジーントラップを行う場合に擬陽性が出やすく、大規模解析を行う際にはより多くの細胞を作製しなければいけないということを示している。本研究でそれぞれのベクターにGene Trapに適した別の特徴があるということが分かった。したがって標的細胞に合わせたウイルスベクターを使用することが重要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)