2008 Fiscal Year Annual Research Report
レンチウイルスベクターを用いたジーントラップ法の開発
Project/Area Number |
19700375
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 智之 The University of Tokyo, 医科学研究所, 客員研究員 (80392158)
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Keywords | Gene / レトロウイルスベクター / レンチウイルスベクター / Integration site / トラップ効率 |
Research Abstract |
現在Gene Trap Vectorの細胞への導入はレトロウイルスベクターが広く用いられているが、最近の報告でレトロウイルスベクターよりもレンチウイルスベクターのほうが遺伝子内に挿入されやすいという結果が得られている。そこで本研究ではレトロウイルスベクターとレンチウイルスベクターをベースとしたGene Trap Vectorの遺伝子トラップの効率と挿入部位の指向性の違いとトラップ効率をマウスES細胞において検討した。その結果、Promoter Trap法では遺伝子がトラップされる効率はレトロウイルスベクターのほうがレンチウイルスベクターより5倍高かく、遺伝子挿入部位も5'端から10%の位置に挿入される確率は約2倍高かった。一方で、遺伝子をコードしていない領域に挿入される確率はレトロウイルスベクターのほうがレンチウイルスベクターよりも約5倍たかく、さらにレトロウイルスベクターでトラップされた遺伝子のほうが遺伝子の重複が多かった。これはレトロウイルスでジーントラップを行う場合に擬陽性が出やすく、大規模解析を行う際にはより多くの細胞を作製しなければいけないということを示している。また、polyA Trap法をレンチウイルスベクターで試みたところ90%以上コロニーがpolyAの付加無しで薬剤耐性遺伝子が発現したことによる擬陽性であることが分かった。これはレンチウイルスベクターの遺伝子発現能力が非常に高い為に起こっていると考えられる。本研究でそれぞれのベクターにGene Trapに適した別の特徴があるということが分かった。したがって標的細胞に合わせたウイルスベクターを使用することが重要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)