2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700379
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 克昌 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80362664)
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Keywords | ラマン散乱 / エバネッセント照明 / ラマン顕微鏡 / スリット共焦点顕微鏡 / 全反射 / 震動分光 / レーザー顕微鏡 / 可視化 |
Research Abstract |
本年度は、エバネッセント照明ラマン散乱顕微鏡の設計、および試作を行った。エバネッセント照明下のラマン散乱光の伝搬特性を考慮した結果、ガラス-試料間の境界面にライン状の焦点を対物レンズで形成し、試料内で得られるラマン散乱を同一の対物レンズで集光する光学系が最適であるという結果を得た。この結果をふまえ、ライン状焦点により試料をエバネッセント照明するための光学系を設計し、実際に試作した。レーザー光源として、波長532nmのNd:YV04レーザーを用い、ビームスプリッターを用いて2本に分割された光を、対物レンズ瞳位置に挿入した2つのスリットに入射させた。その結果、対物レンズからガラスを通して試料に入射する光はガラス-試料間での全反射照明条件を満たし、エバネッセント光による試料の照明を実現できた。対物レンズ焦点位置で得られたラマン散乱光は、同じ対物レンズにより集められ、結像面に配置されているイメージング分光器により分光された。イメージング分光器を用いることにより、入射スリット上での入射位置により観察位置を知ることができ、かつ分光器内で発生する非点収差の影響が少ない状態でラマン散乱スペクトルを得ることができた。試作した光学系を用いて蛍光色素溶液、およびポリスチレンビーズの蛍光スペクトル、およびラマン散乱スペクトルを測定した結果、ライン状焦点によるエバネッセント照明の確認と、試料界面からのラマン散乱光の確認を行うことに成功した。
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