2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞イメージングのための30nmの分解能を持つ硬X線照射型可視共焦点顕微鏡の開発
Project/Area Number |
19700380
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松山 智至 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (10423196)
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Keywords | X線顕微鏡 / 共焦点顕微鏡 / 放射線,X線,粒子 / X線ミラー / 細胞イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は,励起光に硬X線を用い検出を可視光で行うことができる硬X線照射型可視共焦点顕微鏡の開発を行い,生きた細胞を可視顕微鏡以上の空間分解能で観察することである。 本年度は実験装置の開発を中心に,設計,試作,実験,試料作製方法の検討を行った。開発した顕微鏡には高感度に可視光を検出できるように光電子増倍管を取り付け,また,試料を直接観察できるようにCCDも取り付けられるようになっている。レンズは実験の効率的な運用を考え,NAより作動距離を重視し選択した。このため本実験を高感度に行うためには,さらに高NAレンズを採用することで20倍以上の高感度化を行うことができる余地を残している。試料走査を高速で行えるように既存ピエゾスキャナと試料ホルダ,走査プログラムの改良を行った。しかしながら現在はまだ高速で走査を行うと振動が20nm程度発生することが最近の実験でわかってきた。今後,さらに改良を行う必要がある。 デモ実験に際して,ます初めに凍結乾燥された細胞の観察を行った。生きた細胞を実験の初期から使用するには時間の限られた放射光実験において実験の効率を損なうと考えたからである。そのために凍結乾燥試料を簡単に作製可能な冷却チャンバを作製し,急速凍結された試料をできる限り生きた状態と同等の状態で維持できるように工夫した。今後はインキュベータやクライオステージの導入による測定の高度化を図ることで,容易に生きた細胞や凍結細胞の観察が可能となる. 無機蛍光ラベルであCdSeが標識された細胞に集光X線を照射したところ,CdSeからの可視光が観察された。これをマッピングしたところラベルしたチューブリンの分布を可視化することができた。来年度において,観察の高感度化,高速化,高分解能化,ラベルの最適化を図りより実用的な観察システムの構築を目指したい。
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Research Products
(3 results)