2007 Fiscal Year Annual Research Report
透析器ハウジング形状が透析液流動に与える影響の検討
Project/Area Number |
19700388
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 健一郎 Waseda University, 高等研究所, 助教 (00434316)
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Keywords | 医用化学工学 / 透析器 / 流動解析 / 物質移動解析 |
Research Abstract |
血液透析とは,円筒状のハウジングに収められた約1万本の中空糸膜(内径約200μm、厚さ約45μm)からなる透析器により、腎不全患者の血液中から病因物質を拡散・濾過させることで分離除去するプロセスである。透析器の性能は、膜性能だけでなく血液と透析液の流動状態に大きく依存するため、これを最適化し除去性能を高めるための研究が多くなされてきた。本研究では、透析器ハウジング形状(バッフル、テーパ構造,透析液出入口部位など)に着目し、これが透析液流動に及ぼす影響について検討することで,高性能な透析器の設計についての指針を得ることを目的とする。本年度は、サイズの異なる三種類の透析器に対して、テーパ長さを0、12.5、25.0、50.0mm、テーパ角度を0、2、4、6゜と変化させたハウジング形状を有するモデルを作成し、それぞれについて透析液流速を有限要素法により解析することで、テーパ形状が透析液流動に及ぼす影響を評価した。その詰果、テーパ構造を有する透析器では、テーパ構造のない透析器に比べて透析液が中空糸束中心部にまで均一に流入することが確認できた。しかし、透析液出口付近では、テーパ長さとテーパ角度が大きくなりすぎると、透析液流速に大きく偏りが生じることが分かった。テーパ構造は透析液流れの均一化に有効であるが適切に設計する必要があり、テーパ長さ12.5-25.0mm、テーパ角度2-4゜が最適であると考えられた。
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