2007 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化形成過程における単球及び血管内皮細胞PECAM-1の3次元分子動態解析
Project/Area Number |
19700391
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
橋本 謙 Kawasaki Medical School, 医学部, 助教 (80341080)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / 単球 / 浸潤 / PECAM-1 / 分子イメージング |
Research Abstract |
動脈硬化初期過程における単球の血管内皮細胞への接着及び内皮下への浸潤過程は病巣形成において非常に重要であるが,その分子機構は不明である.本研究では,単球及び内皮細胞内に異なる色の蛍光蛋白(GFP;緑,DsRed;赤)を付加したPECAM-1を発現させる実験系を構築し,単球浸潤時の両細胞のPECAM-1分子動態を同時に,且つ3次元的,生細胞で連続観察することを試みた.ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)のtotal RNAを用い,常法によってPECAM-1-GFP及びPECAM-1-DsRedベクターを構築した.GFP(DsRed)をPECAM-1の細胞内端(C末)に付加することにより,細胞外ドメインを介した単球PECAM-1との相互作用をintactに維持した.構築したPECAM-1-GFP(DsRed)ベクターは制限酵素(EcoRI,KpnI)切断パターン,及びDNAシーケンスにより正しい配列であることを確認した.HUVECへの遺伝子導入は高効率導入が可能なnucleofection法を用いた.遺伝子を導入したHUVECは48時間後にはコロニー状に増幅しており,発現した融合蛋白は内因性PECAM-1と同様に細胞間隙に局在していた.細胞内には内因性PECAM-1(130kDa),及びGFP(DsRed)(約30kDa)との融合蛋白に対応したバンド(160kDa)が認められた.遺伝子導入操作によりICAM-1(93kDa)の発現量は微増しており,細胞が若干活性化されたと考えられるが,本実験系(単球の浸潤)においては問題ないレベルと考えられる.現在,上記の遺伝子導入細胞と共焦点レーザー顕微鏡を用いた実験系により,生細胞において単球浸潤時のPECAM-1の3次元分子イメージングを行っており,浸潤する単球の周囲に内皮細胞PECAM-1が集積してくることが観察されている.
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Research Products
(9 results)