2007 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸の動きを再現した気管支・肺胞内物質輸送シミュレーション
Project/Area Number |
19700394
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
世良 俊博 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体力学シミュレーション特別研究ユニット, 協力研究員 (40373526)
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Keywords | 放射光 / 気管支 / 動態解析 / 4D-CT / 流体解析 |
Research Abstract |
大型放射光施設SPring8を利用して、生きたまま小動物が撮影可能なin vivo-CTを4次元(3次元空間+時間)in vivo-CTに応用して末梢気管支の動態観察を行った。撮影中は、ECGと呼吸圧をモニターした。呼吸と心拍のモーションアーチファクトを軽減するために、投影像は呼吸圧一定・心拍が拡張期に撮影を行えるようなシステムを設計した。まず、呼吸によるモーションアーチファクトを軽減ゆるために、吸気側と呼気側それぞれに電磁弁を配置し、それぞれの電磁弁を別々に外部制御可能な人工呼吸器を新たに作成した。両方の電磁弁を閉じることによって、一定期間肺圧力を一定に保つことが出来た。設定した呼吸圧一定時に現れる拡張期時に投影像の撮影を行った。本手法を用いて、肺垣力0〜15cmH20間で6ポイントについてCT撮影を行った。最高空間分解能は、1ピクセル=12ミクロンである。この結果、実際に計測した気管支の変形は、部位に対して非均一、時間に対して不均一であることがわかった。このように変形する気管支内の流体解析を行う場合、従来の計算格子を用いる方法では、計算格子の変形を最初に求めておくことが必要であるが、計算格子の整合性を保つことが非常に困難である。そのため、現在計算格子を用いないボクセル法を用いて移動境界問題として流体解析を行う手法を検討している。第1段階として、得られた6時刻でのボリュームデータから同一気管支ネットワークを抽出し、3次元細線化処理によって求めた分岐点を追跡することによって計算ステップ毎のボリュームデータを補間した。
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