2007 Fiscal Year Annual Research Report
精密重合を用いた細胞内動態可視化モニタリング材料の創製
Project/Area Number |
19700401
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松野 亮介 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (00436536)
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Keywords | ナノバイオ / ナノ材料 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究は、細胞内動態可視化モニタリング材料の創製に向けて、1)量子ドット標識法および2)DNA結合状態の可視化・定量化を目指したFRET観察法の開拓を目標テーマに掲げている。1)量子ドット標識法に関しては、初めに計画通りに原子移動ラジカル重合(ATRP)開始剤を量子ドット表面に固定化した。しかしながら、ATRP法でポリマーを合成する際に用いる銅触媒が量子ドットの蛍光をクエンチすることが分かり、銅触媒を用いない他のリビングラジカル重合法である可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)用の開始剤を合成し用いることにした。その結果、界面活性効果を付与したRAFT剤により量子ドットを可溶化し、水溶液中へ分散することが可能であった。加えてRAFT剤被覆表面からは生体親和性の2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを合成することが可能であった。HeLa細胞へインジェクションするとRAFT剤被覆量子ドットの場合、現在原因は不明であるが細胞核内を染色することに成功した。一方、MPCポリマー被覆した場合、細胞内には取り込まれなかった。表面ポリマーを選択することで細胞染色位置選択性を制御することが可能であった。来年度は、異なるユニットを重合し、蛍光の位置を評価することによりエンドサイトーシス経路のモニタリングを試みる。2)DNA結合状態の可視化・定量化を目指したFRET観察法の開拓に関して、初めにATRP法によりpH応答性セグメントとしてpKaが7.3付近に存在するジエチルアミノエチルアクリレート(DEA)とMPCの共重合体を合成した。エンドサイトーシスのpH変化により構造変化するポリマーの構造は規定したが、FRET発現の最適化には至っていない。今後は、FRET発現が生じる条件を明確にする。
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