2007 Fiscal Year Annual Research Report
スクラップアンドビルトに基づく、蛋白質と遺伝子を併用した線維症治療用材料の開発
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19700405
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 寛樹 Kyoto University, 再生医科学研究所, 研究員(COE) (70432325)
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Keywords | 再生医工学材料 / 薬物伝達システム / 線維症 / スクラップアンドビルト / 肺 |
Research Abstract |
本研究の目的は、コラーゲン性細胞外マトリックスの酵素分解(スクラップ)と正常な生体組織の再構築を方向付ける(ビルト)血管新生・組織線維化抑制・細胞死抑制に機能する細胞増殖因子・遺伝子の局所徐放を併用した、新規な線維症治療方法を開発することである。このような各過程を組み合わせた研究・治療例はこれまで皆無である。初年度である本年は、キャリア分子の開発、細胞外マトリックスの酵素分解特性の評価、ならびに、線維化の程度の評価方法の検討を行った。キャリア分子として、低分子化ゼラチンを多糖分子に化学結合した複合化キャリア分子、ならびに陰イオン性両親媒性高分子をコートしたカチオン性ゼラチン粒子の開発を行った。開発した複合化キャリア分子を125I-放射性同位体あるいは蛍光色素で標識し、マウス体内動態を検討した。こうしたキャリア分子の開発は、薬物の局所投与により線維化を解除した患部に正常組織を再生させるという本研究のコンセプトを達成するために重要である。酵素分解特性の評価として、コラゲナーゼを含む種々のタンパク質分解酵素によるコラーゲンマトリックス分解の特異性と早さの測定を行い、治療実験に用いるべき酵素の種類と投与量を最適化するために重要なデータを得た。線維化の程度の評価は治療効果を評価するために重要である。現在、肺組織の線維化を組織内コラーゲンのタイプ別免疫染色とTUNEL法による細胞死の検出から画像的に評価するシステムの構築を進めている。
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Research Products
(1 results)