2007 Fiscal Year Annual Research Report
表面機能性を有する新規温度応答性ナノミセルの分子設計と薬物キャリアへの応用
Project/Area Number |
19700407
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中山 正道 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (00338980)
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Keywords | 高分子ミセル / ドラッグデリバリーシステム / 温度応答性 / 表面機能化 / 薬物キャリア / 蛍光標識 / 細胞内移行 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) |
Research Abstract |
可逆的付加-開裂型連鎖移動ラジカル重合をより、水酸基を持つ連鎖移動剤存在下、N-isopropylacrylamideとN,N-dimethylacrylamideの共重合をおこない、a位に水酸基基、w位にジチオエステル基を有する温度応答性高分子を合成した。このポリマーのα末端のヒドロキシル基からD,L-lactideを開環重合した(数平均分子量=11300)。得られたブロックコポリマーの温度応答性高分子鎖末端のジチオベンゾエート基をアミノ分解でチオール基に置換した後、Oregon Green maleimideと反応した。このブロックコポリマーを用いて、表面に蛍光基を持つ温度応答性高分子ミセルを作製した。 ミセルを含む培養液(最終濃度200μg/ml)でウシ血管内皮細胞を37℃および42℃でインキュベートし、共焦点レーザー顕微鏡(CLMS)およびフローサイトメトリーを用いて温度変化によるミセルの細胞内移行の違いを評価した。CLMS観察では、ミセルの相転移温度(LCST)より低温の37℃では蛍光標識ミセル由来の蛍光がほとんど観察されなかった。一方、LCST以上の42℃では核の周辺部を中心に細胞全体的に粒子状の蛍光が観察された。フローサイトメトリー測定による細胞内取り込み量を検討した結果、37℃では顕著な細胞内取り込みは観察されなかったが、42℃では時間経過と共にミセルの取り込み量が増加し、約6時間で飽和することが明らかとなった。以上の結果より、温度変化によるミセルの細胞内移行の違いを利用することで、薬物や遺伝子の細胞内導入を温度変化で制御できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)