2009 Fiscal Year Annual Research Report
管腔臓器力学特性の計測・モデル化・データ公開とシミュレータ実装
Project/Area Number |
19700413
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中口 俊哉 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 助教 (20361412)
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Keywords | 生体力学特性の計測・解析 / in-vitro運動機能再現 / 管腔臓器計測 / 生理実験用ラット / 平滑筋運動モデル / 実験データ公開 |
Research Abstract |
本研究では外科シミュレータ構築のための生体組織力学特性の計測・解析法を確立し,その結果を一般的に利用できる生体特性データベースとして公開することを目指している.実施計画に基づき生理実験と数理実験を平行して実施した.生理実験では,腸管の運動をより高精度かつ高密度に計測する方法として,ステンレスマイクロビーズ(平均径100マイクロメートル)を臓器表面に均等に塗布し,かつ水溶液中でも付着させる方法を開発した.これにより画像対応点が大幅に増し,トラッキング処理もより安定させることができた.次にこの計測方法を使って生理条件の異なる環境での臓器の運動を解析した.つまり溶液の温度,酸素飽和度をパラメータとして定量化した運動量指標との関係を調べた.数理実験においては訓練の必要性が高い腸管吻合シミュレータを題材としたトレーニングシミュレータの実装を中心に行った.有限要素法による腸管の変形,バネモデルによる糸の振る舞いを実時間で実装し,また,腸管・糸・鉗子の衝突判定を効率的に実施するフレームワークを構築した.これにより腸管の吻合手技を計算機上で再現することができ,医療訓練の応用を果たした.なお,多数の医師から評価を得る必要があるため高額で特殊なハードウェアは使用せず,汎用計算機のみを使用した.以上,概ね計画通りに研究を進めることができた.
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