2007 Fiscal Year Annual Research Report
超音波ドラッグデリバリシステム用カプセルの開発とカプセル膜弾性の定量的評価方法
Project/Area Number |
19700415
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 大介 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 助教 (50401518)
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Keywords | マイクロカプセル / 超音波 / ドラッグデリバリシステム / カプセル破壊 / マイクロバプル / 超音波造影剤 |
Research Abstract |
生体内で使用可能なマイクロカプセルの作製を一つの研究目標とした。カプセル作製法は微小気泡から直接In-Situ重合等によりカプセルを生成する方法を用いた。本手法は従来の液滴から化学反応によって液滴周囲にカプセル膜を生成し、膜生成後に熱を加えることにより内部液体を蒸発させる手法とは異なり、液体中に発生した微小気泡の周りに直接カプセル膜を生成する手法である。今年度は安定したカプセル生成条件を見出すことを一つの目標とし、現在製作段階に入っており、カプセル成膜条件について鋭意検討中である。 上項目と並行して、超音波照射によるカプセル破壊によるカプセル膜弾性の定量的評価手法について検討を行った。血流を模擬した流路中を流れるPVC製マイクロカプセルに超音波を照射し、膨張収縮から破壊に至る挙動を高速度ビデオカメラで測定した。捕捉用超音波と破壊用超音波の周波数を別々にすることにより、カプセルの安定した捕捉と破壊を行えることがわかった。また、カプセルの周囲にキャビテーション気泡などの微小気泡が存在した場合、従来報告されているカプセル崩壊に必要な音圧値に対して低い音圧でカプセルを破壊できることを見出した。これは微小気泡から発生する2次的な衝撃波、もしくは気泡カプセル壁に衝突するマイクロジェット(ウォータハンマ効果)によるものと推測されるものの、その詳細については現在検討中である。 カプセルや剛体近傍の微小気泡の挙動がカプセル破壊に大きく作用すると推察されることから、有限要素法による超音波照射下の気泡挙動の数値シミュレーションについても検討を行った。現在2次元モデルにおいて超音波照射下の気泡の膨張収縮運動の様子を計算できている。今後は剛体近傍の気泡挙動、気泡が多数存在する場合の挙動についての検討を行う。
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