2008 Fiscal Year Annual Research Report
超音波ドラッグデリバリシステム用カプセルの開発とカプセル膜弾性の定量的評価方法
Project/Area Number |
19700415
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 大介 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 助教 (50401518)
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Keywords | マイクロカプセル / 超音波 / ドラッグデリバリシステム / カプセル破壊 / マイクロバブル / 超音波造影剤 |
Research Abstract |
生分解性高分子マイクロカプセルの作製を一つの研究目標とした。カプセル作製法は微小気泡から直接In-Situ重合等によりカプセルを生成する方法を用いた。本手法は従来の液滴から化学反応によって液滴周囲にカプセル膜を生成し、膜生成後に熱を加えることにより内部液体を蒸発させる手法とは異なり、液体中に発生した微小気泡の周りに直接カプセル膜を生成する手法である。シェル材質にポリ-DL-乳酸及び、ポリ-L-乳酸を用いて、球形かつ表面状態の良好な含気マイクロカプセルの作製に成功した。 超音波照射時のカプセルの崩壊にはシェル材質の機械的性質が大きく寄与すると考えられ、作製した2種のマイクロカプセルのシェル材質のヤング率及び引張強度を測定した。カプセルの作製手法と同様に高分子溶液から溶媒を除去させるキャスト法及びスピンコート法を用いてポリ乳酸薄膜を作製し試験片とした。ヤング率, 引張強度は両パラメータともポリ-L-乳酸の方が大きい値である事が確認できた。 作製した2種のマイクロカプセルを用いて、超音波照射によるカプセル破壊によるカプセル膜弾性の定量的評価手法について検討を行った。マイクロカプセルの膨張収縮から破壊に至る挙動を高速度ビデオカメラで測定した。照射音圧が20kPaの場合、ポリ-DL-乳酸製カプセルは局所的に振動したが、ポリ-L-乳酸製は殆ど振動を確認する事が出来なかった。また照射音圧が40kPaの場合、ポリ-DL-乳酸製カプセルは崩壊し、内部気体が流出することを確認したが、ポリ-L-乳酸製は崩壊に至らなかった。これらの結果よりカプセルの崩壊とシェル材質のヤング率、引張強度の関連性が示された。
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Research Products
(3 results)