2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700416
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小関 道彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (50334503)
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Keywords | 可視化 / 計測工学 / 歯学 / 顎運動 |
Research Abstract |
本年度はまず、昨年度構築した顎運動計測システムの性能について定量的な検証を行った。ヒト歯列に取り付けた標識点を1200フレーム/秒(fps)の動画撮影が可能な高速度カメラを用いて撮影し、タッピング運動(上下の歯を素早く噛み合わせる動作)の様子を1200〜30fpsのフレームレートにて観察した。その結果、200fpsのフレームレートであれば本研究の達成目標であるヒトの顎運動の速度や加速度の急峻な変化を十分に計測可能であることが明らかとなり、昨年度導入した200fpsの高速度カメラを用いた顎運動計測システムの妥当性を確認した。また、複数のカメラによる三次元計測ではカメラの位置関係に依存した測定誤差が生じるため、最適なカメラ位置をコンピュータグラフィックに基づき定量的に求める算出方法を考案した。次に、着脱再現性の高い歯列装着部品の製造プロセスについて検討を行い、NC加工による部品と熱可塑性樹脂を歯列に圧着して作る部品を組み合わせることにより、簡便かつ正確に着脱することが可能な歯列装着部品を製作した。また、正確な顎運動表示を実現するため、顎顔面の医療用X線CT画像と歯列鯉の工業用X線CT画像を適切に重ね合わせる方法について検討を行った。最後に、提案する顎運動計測システムを顎関節症患者1名および下顎発育不全の患者1名に適用し、それらの顎運動の特徴を観察した。今後、さらに測定数を増やしてシステムの有用性を高めるとともに、これらの患者に対し顎運動の経時的変化を計測することによって治療法の有効性を定量的に評価することを試みたい。
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Research Products
(2 results)