2008 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸性移動に対応した腹部血管内手術用三次元カテーテルガイドシステムの開発
Project/Area Number |
19700417
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武村 哲浩 Kanazawa University, 保健学系, 准教授 (70313674)
|
Keywords | 呼吸性移動量解析 / 腹部血管内手術 / カテーテルガイド / コンピュータ支援 / 血管造影撮影 / 横隔膜 / ロードマップ技術 |
Research Abstract |
呼吸性移動に対応した腹部血管手術用三次元カテーテルガイドシステムの開発にあたり, 昨年度2症例によりおこなった血管造影画像における横隔膜と上腹部血管(腹腔動脈から分岐する各血管)の呼吸による動きの解析を, 症例数を増やし解析した. 解析は昨年度同様に何らかの理由により(耳が遠いなど)息止めをせず撮影された腹部の血管造影画像(腹腔動脈からの造影撮影であり時系列の撮影)を対象に行った. 症例は6例(男性4名, 女性2名)であった. 昨年度の結果から, 上腹部血管の動きは主に上下動のみと結論づけたため, 今回の解析では, 呼吸による左右の横隔膜の動きと血管の上下動の相関関係を検証した. 腹腔動脈から造影された血管造影画像から得られる血管像を3つのグループ(主に肝臓内の血管であるhepatic artery group(HAG), 主に脾動脈のsplenic artery group(SAG)とceliac group(CG))に分割し, 呼吸による左右の横隔膜の動きとの相関を確認した, その結果より, HAGとCGは統計的に右横隔膜の動きと相関が高く(それぞれ相関係数r=0.924, r=0.888), SAGは, 動きの量に関しては左横隔膜の動きと1 : 1の関係ではないが, 相関が高く(r=0.949)呼吸性の動きの補正に十分用いることができる. これらの結果により, 各血管グループによって横隔膜の動きを基準に補正することで, 血管の呼吸性移動を補正できる. 次の段階として, 本手法(横隔膜により血管の動きを補正する方法)の信頼性を確認する必要がある.現在, この呼吸性移動の補正方法が適切かどうかを確認するために, 別な症例をもちいて計測, 検証中である.
|
Research Products
(1 results)