2007 Fiscal Year Annual Research Report
椅子からの立ち上がり動作直後の身体動揺に対するアプローチの効果
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19700432
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三好 圭 Shinshu University, 医学部, 助教 (30293509)
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Keywords | 椅子からの立ち上がり動作 / 加齢 / 転倒 |
Research Abstract |
臨床経験上,椅子からの立ち上がりに失敗して椅子に尻餅をついて椅子から立ち上がってすぐに歩行しようとして転倒してしまう高齢者は多く見られる。しかし,実際の理学療法場面では椅子からの立ち座りのみの練習であり,椅子から立ち上がった直後のバランスに関するトレーニングは行われていない。このバランスを制御しているのは足節周囲の筋力および固有感覚であると考えられる。そこで今年度の目的は,椅子からの立ち上がり動作の主観的困難感と椅子からの立ち上がり動作時の不安定性に影響を与える筋力や感覚を横断的調査に測定することであった。 平成19年10月-平成20年3月に行われたM市「福祉ひろば」参加者のうち,体力測定の同意を得られた342名を対象に以下の測定とアンケートを行った。(1)アンケート,(2)バランスの評価:重心動揺検査,開眼,閉眼片脚立位保持時間,ファンクショナルリーチテスト,(3)筋力の評価:膝伸展筋力,足背屈筋力,股外転筋力,足指屈筋力,(4)感覚の評価:足底感覚検査,(5)応用動作:タイムアップアンドゴーテスト,である。 得られた結果から,膝伸展筋力,股外転筋力は,男性において59歳以下よりも60歳代の方が筋力は強いことが分かった。それ以外の項目は加齢とともに低下することが分かった。また,立ち上がりの困難感のある群は困難感のない群より筋力,バランス,応用動作ともに低い値を示した。 今後(20年度)はこれらの結果を基に,足関節周囲筋力や感覚,バランストレーニングを中心とした介入を行い立ち上がり動作が容易になり,その結果転倒予防につながるようなトレーニングの効果を検討する予定である。
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