2008 Fiscal Year Annual Research Report
椅子からの立ち上がり動作直後の身体動揺に対するアプローチの効果
Project/Area Number |
19700432
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三好 圭 Shinshu University, 医学部, 助教 (30293509)
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Keywords | 椅子からの立ち上がり動作 / 加齢 / 転倒 / 介入研究 |
Research Abstract |
臨床経験上, 椅子からの立ち上がりに失敗して椅子に尻餅をついて椅子から立ち上がってすぐに歩行しようとして転倒してしまう高齢者は多く見られる. しかし, 実際の理学療法場面では椅子からの立ち座りのみの練習であり, 椅子から立ち上がった直後のバランスに関するトレーニングは行われていない. 今年度は, 前年度に実施したM市で横断的に行われた体力調査の結果を基に, 足関節周囲筋力や感覚, バランストレーニングを中心とした介入を行い立ち上がり動作が容易になり, その結果として転倒予防につながるような運動教室を開催した. 期間は平成20年6月〜12月で, M市において3ヶ月間の運動教室を2グループ(6-9月と10-12月)で実施した. 参加者は65歳以上の39名(男性7名, 女性32名). 週1回90分のトレーニングを12回(3ヶ月間)実施, トレーニングメニューは主に, 下肢筋力・足指筋力トレーニング, バランストレーニングとした. また, 自宅での自主トレーニングメニューも作成し指導した. その結果, 3ヶ月の運動教室後に「左右片脚立位保持時間」「functional reach test」「膝伸展筋力」「足指屈曲筋力」がそれぞれ延長・増大し, 「10回立ち上がり時間」は短くなった. その他の「time up and go test」「10m歩行速度」「足関節背屈筋力」は有意な変化は認められなかった. これらより. 椅子からの立ち上がり動作はバランストレーニングや足指の筋力トレーニングでも改善することが分かった.
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