2008 Fiscal Year Annual Research Report
自宅に閉じこもりがちな通所サービス利用者の特性と予後への影響に関する研究
Project/Area Number |
19700433
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
後藤 真也 Nagoya University, 医学部, 助教 (10437006)
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Keywords | 通所サービス / 外出 / 閉じこもり |
Research Abstract |
<調査対象者・調査期間>愛知県・岐阜県に所在する通所サービス施設4ヶ所で、昨年度調査を行なった69名を対象に追跡調査を行なった。死亡、入院・長期入所、追跡不能であった者を除いた56名と1対1の面接形式で調査を行なった。調査期間は平成20年9月から12月で実施した。<分析>初回調査で外出頻度が「週1回未満」であった群(以下、不活発群)と、それ以上の群(以下、活発群)の2群に分けて行なった。2群間の比較にはMann-Whitney検定.とx^2検定を、初回調査と追跡調査の比較はWilcoxonの符号付順位検定を用いた。危険率は5%未満とした。<結果>不活発群で追跡可能であったのは11名で、調査不可能であった5名のうち2名が長期入院・施設入所、1名が死亡であった。また調査後1名が亡くなっている。一方、活発群は45名に追跡調査を行ない、不可能であった8名のうち、2名が長期入院.施設入所、2名が死亡であった。両群を比較したところ、予後に有意な差は見られなかった。しかし、p値は0.06と予後の差に若干の傾向が見られた。2群間の差は昨年度とほぼ同様で、日常生活動作能力や移動範囲、自宅での役割有無等に有意な差があった。一方、初回と追跡調査の比較では、不活発群は身体面や認知面に有意な低下はみられなかった。活発群では、抑うつ度に有意な改善、認知面(HDS-R)と外出範囲に有意な低下が見られた。ただし、HDS-Rの得点平均の減少幅を比べると、両群の差は拡大していた。追跡調査で外出頻度が上昇した初回不活発群の対象者がいる一方で、2回目に不活発群の範囲に入る初回活発群の対象者もいた。後者は、初回で既にFAIやBI、HDS-R等の数値が活発群の平均以下である場合が多く、有意な低下がみられた。これらの対象者が非閉じこもり群のHD-Rの低下や移動範囲の有意な縮小に関係していることが考えられる。
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