2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞後の運動療法による麻痺回復と神経栄養因子に関する研究
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19700434
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
榊間 春利 Kagoshima University, 医学部, 准教授 (10325780)
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Keywords | 脳梗塞 / 神経栄養因子 / 運動療法 / アポトーシス / 脳梗塞巣 / 運動機能評価 / 免疫組織化学染色 / リハビリテーション |
Research Abstract |
脳梗塞作製後、1日、3日、7日、14日、28日に脳を摘出して種々の免疫組織染色を行った。神経栄養因子ミッドカイン(MK)の免疫染色を行った結果、脳梗塞後早期(1,3,7日)にMK陽性細胞が梗塞巣周囲のペナンブラ領域に観察された。7日後には発現量が減少し始め、14日や28日後には発現が観察されなかった。GFAP免疫染色結果と比較すると、反応性アストロサイトとMKの発現部位が一致していた。アポトーシスのシグナル経路であるCaspase-3免疫染色を行い、7日後までCaspase-3陽性細胞が脳梗塞周囲のペナンブラ領域に増加したが、14日後から徐々に減少した。ラットの運動機能評価として、棒上歩行テスト(正常5点)を行い、脳梗塞作製1日後には0点であったが、徐々に改善を示した。しかしながら、28日後には1点までしか改善しなかった。 以上の結果を元に、運動療法(トレッドミル走行)の介入群と比較検討した。その結果、運動群では、脳梗塞作製1日、3日後のMKの発現が増加し、Caspase-3陽性細胞数が7日、14日後に有意に運動群が減少していた。脳梗塞巣の体積を計測すると、28日後には運動群の脳梗塞巣の大きさが非運動群と比べて有意に減少していた。棒上歩行テストは運動群が非運動群より得点が高かったが、有意差は認めなかった。運動群の得点は脳梗塞作製1日後には0点となり、28日後には2点まで改善した。 今年度は、脳梗塞モデルラットを作製し、神経栄養因子ミッドカイン(MK)の発現動態を免疫組織化学的に観察し、定量化した。また、運動療法(トレッドミル走行)による神経栄養因子の発現量、脳梗塞巣の大きさ、機能回復の関係を明らかした。
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