2007 Fiscal Year Annual Research Report
褥瘡の発生機序の解明とリハビリテーションアプローチの検討
Project/Area Number |
19700435
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒瀬 智之 Hiroshima University, 大学院・保健学研究科, 助教 (20363054)
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Keywords | 褥瘡 / 圧迫 / ラツト / マイクロアレイ / リアルタイムPCR / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
平成19年度は、褥瘡の主な原因と考えられる持続的な圧迫後の遺伝子発現を、マイクロアレイやリアルタイムPCRを用いて調べた。ラットの腹壁の上に金属塊(鉛の角柱、底面20×25mm、高さ120mm)を載せて100mmHgに相当するカで4時間年迫した。圧迫開始から12時間、1、3、7日後に、ラットを屠殺して腹壁を採取した。対照として、無処置の正常ラットの腹壁を使用レた。. その結果、12時間後と1日後に、皮膚一皮下組織は浮腫のため厚くなり、筋層に壊死が観察されたが、外表面の変化は軽度だった。3日後以降、傷害は軽減した。 マイクロアレイで調べた約31,000個の遺伝子のうち、圧迫12時間後には240個の遺伝子で、1日後には877個の遺伝子で、発現量が2倍以上に増加していた。lnterleukin1α(IL-1α)やlnterleukinIβ(IL-1β)、lnterleukin10(lL-10)などの炎症に関連した遺伝子の発現量がギ増加していた。アポトーシスに関連した遺伝子の発現量は,変化があまりみられながった6リアルタイムPCRでは、lL-1α、lL-1β、lL-10、TumorNgcrosisFactor-α(TNF-α)が12時間後と1日後には増加したが、3日後から次第に減少した。 以上のように、褥瘡モデルを作製し、マイクロアレイを使って網羅的に調査し、発現量が大きく変動する遺伝午を絞り込むことができた。とりわけ炎症に関連した遺伝子の発現が増加することがわかった。これらの遺伝子発現の影響を更に調べること、またこれらの影響を除去する方法を調べることで、褥瘡の発生や治癒の機序解明が進むと考えられる。
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Research Products
(4 results)