2008 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性麻痺に伴う関節拘縮の原因となる関節構造内の変性の解明
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19700443
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
森山 英樹 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 講師 (10438111)
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Keywords | 関節拘縮 / 中枢性麻痺 / 脊髄損傷 / 関節内結合組織 / 関節軟骨 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、中枢性麻痺に伴う関節拘縮の原因となる関節構造内の変性を明らかにすることである。当該年度では昨年度までの研究成果のうち、特に変化が顕著であった関節軟骨の変化を精査した。その結果、脊髄損傷後の関節軟骨の変化は、内側部でより重篤で、外側部でより穏やかであった。そのため内側部の変化をした場合、結果を過大評価し、外側部の変化を検討した場合、過小評価するため、今後の研究では少なくとも異なる軟骨プレートを別々に検討する必要性が示された。 また、過去の臨床報告から痙性麻痺を呈する時期と弛緩性麻痺を呈する時期では、関節拘縮の発生原因が異なることが示唆されてきた。痙性麻痺後の関節拘縮の原因については少なからず知見を得たため、弛緩性麻痺から痙性麻痺に移行する時期の関節拘縮の原因を検討した。その結果、関節拘縮の進行経過は筋緊張の変化に伴い変化しなかった。 さらに、関節拘縮の発生には、筋性の要因と関節性の要因がともに関与しており、その割合では筋性の要因がより大きかった。そのため損傷後早期の関節拘縮において、弛緩性麻痺あるいは痙性麻痺に関わらず、筋の変化を中心に関節構造内の変化にも着目する必要性が示された。 これらの研究成果を踏まえて、関節構造内の変化のみならず、筋の関与が大きい弛緩性麻痺から性麻痺に移行する時期の筋の変化も対象として、これまで用いてきた実験手法に加えて、力学的試験と神経局在の分析を行い、中枢性麻痺に伴う関節拘縮の原因となる関節の変性の解明を進めている。
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