2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者への早期補聴器装用指導による認知症予防の効果
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19700446
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小渕 千絵 International University of Health and Welfare, 保健医療学部・言語聴覚学科, 講師 (30348099)
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Keywords | 高齢者の認知機能 / 早期の補聴器装用指導 / 聴覚・言語機能の評価 / 高齢者の加齢変化 |
Research Abstract |
本研究では、高齢者に早期より補聴器装用をすすめ、感覚入力の補償が、認知機能にどのように影響を及ぼすのか、また認知症予防にどの程度効果があるのかについて検討することを目的としている。本年度は初年度として、高齢者の聴覚・言語・認知機能の測定、及び補聴器の適合・調整を中心に行った。自立生活を営み、補聴器装用を検討する高齢者(市内のシルバー人材派遣センターに依頼した。)や、介護認定を受けてデイサービスに通う高齢者、及び補聴器装用指導に参加しない高齢者に対し、聴覚機能・言語・認知機能、脳機能の3種の機能について測定した。聴覚機能については、標準純音聴力検査による聴力測定、ことばの聴取能力に関する検査(57S語表)、中枢聴覚機能検査(小渕,2003に作成)、言語・認知機能については、知能検査短縮版(WAIS-Rのうち、言語性検査2項目、動作性検査2項目)を行った。この結果、自立生活を営んでいる高齢者のうち、日常的に他者と交流のある方や趣味活動がさかんな高齢者においては、比較的認知機能が高い傾向がみられた。また、補聴器装用を検討する高齢者のために、標準耳掛形補聴器の貸出・試聴を行った。補聴器は備品費にて購入したFL-9(WIDEX)であり、最新のISPを搭載し、騒音抑制機能も付加されている補聴器で、軽度〜中等度難聴のある者には適合しやすいものである。1度の調整のみでは聴取環境に適さない場合も多いため、平均2〜3回来学して頂き、トラブルシューティングと装用方法について指導をいった。引き続き補聴器を装用する必要性についてお話し、次年度の聴覚機能・言語・認知機能、脳機能の評価に参加するよう約束し、3機能の経過について次年度以降に検討していく予定である。
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Research Products
(8 results)