2009 Fiscal Year Annual Research Report
振盪振動刺激による骨密度上昇と筋量増加による骨折予防効果
Project/Area Number |
19700450
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山田 晃司 Fujita Health University, 医療科学部, 准教授 (60278306)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 振盪刺激 / 骨折予防 / 筋肥大 |
Research Abstract |
実験は、ICRマウスを使用し、卵巣摘出した群と野生型の2群に分類し、それぞれの群に対して、刺激を行った群と行わない、計4群に区分した(卵摘/刺激:+/+,+/-,-/+,-/-)。水平板回転装置による刺激を10週間継続した後に各筋を採取し、タンパク質発現解析と組織学的解析による筋線維の短径と線維数の計測を行なった。 筋線維の形態計測解析から刺激群に筋肥大が確認された。しかし、筋線維数の変化には明らかな違いは認められなかった。筋肥大を促進するタンパク質であるGDF-8と発生・分化に関与するMyf-5,Myf-6のタンパク質は、刺激によりその発現が増加傾向を示した。また、インナーマッスルの代表的な筋である腸腰筋においてもその刺激による筋肥大が確認できた。これは、腰椎の骨密度を維持し圧迫骨折を予防できる運動になる可能性も示唆された。大腿および下腿の筋群は水平板回転装置による刺激運動により肥大し、下腿の筋群はその安定強化に役立つと考えられる。水平板回転装置による刺激が下半身、特に大腿部の骨補強に関わる筋群に効果的な物理療法になり得るのではないかと思われた。 また、卵巣摘出をして刺激をする群としない群を比較すると、血中のコレステロール、中性脂肪においてはその有意な差は認められなかったが、刺激を行わない群の内臓脂肪は顕著に観察された。これは、この刺激が適度な運動となりメタボリックシンドロームの温床ともなる内臓脂肪の蓄積を回避できたことを示す。振盪刺激が骨強度維持、筋肥大、脂肪燃焼とマウスを用いた実験において有意義な結果が得られた。今後は脳の神経細胞に与えるストレスや活性化の効果を検証し、人への応用を視野にいれ研究を遂行していく予定である。
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