2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700454
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中尾 和子 Kansai Medical University, 医学部, 助教 (60351540)
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Keywords | 頭頂葉後部 / リハビリテーション / サル / 電気刺激 / 小脳核破壊 / 視覚始動性反応時間運動 / 正中神経 |
Research Abstract |
我々の先行研究より頭頂葉後部(PPC : posterior parietal cortex)が運動野と同様、純粋な運動機能に関与していることが示されたことから、運動野の障害による運動機能低下をPPCが代償して運動機能を回復させるかどうかを検討した。サルに手を用いて視覚刺激に応じてレバーを上げる運動を訓練し(視覚始動性反応時間運動)、反応時間(視覚刺激が提示されてからサルが手を動かすまでの時間 : RT)がそれ以上速くならず一定になったところで小脳破壊前のRTを測定した。そのように訓練したサルのPPCの大脳皮質表面と2.0-3.0mm深部に慢性電極を埋め込む手術と、運動野を介した運動機能を低下させるため、左側小脳の外側核および中位核を破壊する手術を行った。術後回復したサルに視覚刺激始動性反応時間運動を行わせ、小脳破壊後のRTを測定すると、小脳破壊と同側の手を使った視覚始動性反応時間運動のRTは手術前より約130ms遅くなっていた。その後、小脳破壊と同側の正中神経およびPPCに埋め込んだ電極に電気刺激を与えて視覚刺激始動性反応時間運動のRTが小脳破壊前まで回復するかを検討した。正中神経刺激(単発パルス、刺激時間0.1ms、刺激間隔5s、母指が攣縮する強度、1日1回60分)と同時に最後の20分はPPC刺激(単発パルス、刺激時間1ms、刺激間隔5s、強度0.6mA、遅延時間11ms、1日1回20分)を追加する条件において最も効果が見られ、手術後最速のRTよりも速いRTを示したのは初日の刺激後であり、その程度は35msであった。その効果は次の日まで持続しており、さらに、2日目の正中神経及びPPC刺激後では、手術後最速のRTに比べて約60ms速くなった。以上より、運動野の障害による運動機能低下の場合、PPCを活性化させることが運動機能の回復に有用であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)