2007 Fiscal Year Annual Research Report
立位姿勢制御に効果的に作用する足底部硬度弁別知覚課題時の脳活動に関する研究
Project/Area Number |
19700456
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
森岡 周 Kio University, 健康科学部, 教授 (20388903)
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Keywords | 立位姿勢バランス / 重心動揺 / 知覚学習 / 脳活動 / fNIRS / 脳イメージング / リハビリテーション |
Research Abstract |
【目的】立位姿勢制御に効果的に作用する足底部硬度弁別知覚課題時において,脳内における認知過程の活性化が出現しているかを脳イメージング装置を用いて明らかにする.【対象と方法】健康成人20名が実験に参加した.その参加者をランダム表に基づき,無作為に対照群,硬度弁別知覚課題介入群(介入群)の2群に各々10名ずつ振り分けた.介入群に対して,異なる5段階のスポンジゴムを用い,与えられたスポンジゴムの硬さを判断する課題を与えた.これらの介入を2週間計10回施行した.なお,コントロール群にはスポンジゴム上で立位保持を10秒間求めた.立位姿勢制御能の指標には,重心動揺値,Functional Reach Testによる前方重心移動距離を用いた.機能的近赤外分光法(fNIRS)を用い,脳血流動態を捉え,それを脳活動の指標とした.解析には,酸素化ヘモグロビン(oxyHb)値を用いた.介入前後の立位重心動揺値と前方重心移動距離値を比較した.また課題中のoxyHb値の変化をチャンネル毎に比較した.同時にMRI画像に重ね合わせて脳マッピングを行い,大脳皮質における活動領域を明らかにした.【結果】立位時における硬度弁別知覚課題中においては,前頭前野背外側部のoxyHb値が,通常立位に比べ有意に増加した(p<0.05).また,その活動は知覚学習が進むにつれ減少した.一方,知覚学習効果によって,立位重心動揺値(総軌跡長,外周面積)の有意な減少(p<0.05),ならびに前方重心移動距離の有意な増大(p<0.05)がみられた.【考察】この結果より,立位姿勢バランスの安定化に対し,足底部における硬度弁別知覚課題が有効に作用することが判明した.同時に,その課題時には前頭前野背外側部の活動が増加することから,認知過程の活性化が推察され,その活性化が立位姿勢バランスの安定化に関与することが示唆された.
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Research Products
(1 results)