2007 Fiscal Year Annual Research Report
廃用性筋萎縮モデルラットに対する抗酸化作用を持つ薬物投与の影響
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19700459
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松嶋 康之 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (10412660)
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Keywords | 廃用性筋萎縮 / 抗酸化 / 薬物投与 / 酸化的ストレス / ラット / リハビリテーション / エダラボン |
Research Abstract |
廃用性筋萎縮のメカニズムを知り有効な治療法を確立することは、リハビリテーション医学の分野で非常に重要である。廃用性筋萎縮においてタンパク分解系の促進やタンパク合成系の抑制が起こる原因の1つとして酸化的ストレスの関与が報告されており、抗酸化物質の投与で筋萎縮が防げたとの報告もある。本研究の目的は、ラット後肢懸垂による実験的な廃用性筋萎縮モデルを用い、抗酸化作用を持っ薬物を投与することで、筋萎縮を防ぐことが出来るかどうかを研究することである。 12 週令のウィスター系雄性ラットを使用し、後肢懸垂による廃用性筋萎縮モデルを作製した。懸垂期間は7日とし、懸垂を行わない群と懸垂を行う群それぞれについて、薬物非投与群と薬物投与群とを作製し比較した。抗酸化作用を持つ薬物としてフリーラジカルスカベンジャーであるエダラボンを使用した。薬物投与群ではエダラボン1 日 1 回 (3mg/kg/日)腹腔内投与を行い、薬物非投与群はコントロールとして生食を腹腔内投与した。つまり、懸垂(一)薬物非投与群(n=6)、懸垂(一)薬物投与群(n=6)、懸垂(+)薬物非投与群(n=6)、懸垂(+)薬物投与群(n=6)を作製し比較した。懸垂期間終了後にヒラメ筋を採取し、湿重量を測定した。筋の湿重量は懸垂を行った群では懸垂を行わない群と比較して有意に低下し、筋萎縮モデルの妥当性は確認できた。薬物投与群と薬物非投与群で筋の湿重量の変化に有意差を認めなかった。今後は筋線維の断面積を測定することで筋萎縮の程度を詳細に比較し、筋肉中の酸化的ストレスの指標や抗酸化酵素の変化を免疫組織科学的手法や生化学的・分子生物学的手法を用いて測定し、群間での比較を行う予定である。
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