2007 Fiscal Year Annual Research Report
歩行機能再建に向けた受動歩行運動の脊髄神経機構に関する研究
Project/Area Number |
19700461
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
中島 剛 Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities, 運動機能系障害研究部, 流動研究員 (60435691)
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Keywords | 動力型歩行補助装置 / 受動歩行運動 / 脊髄神経機構 / ヒト中枢パターン発生器 / 皮膚反射 / 末梢性感覚情報 / リハビリテーション / ヒト |
Research Abstract |
歩行障害を中心とする移動能力の低下に対するリハビリテーションは近年急速な発展を遂げており、その一つの手法として体重を部分的に免荷した状況下で下肢の動作を補助し(受動歩行運動)、正常な歩要を再現する免荷式歩行トレーニングが歩行機能再獲得に向けたリハビリテーションの主流となりつつある。本研究は、ヒト中枢パターン発生器(CPG)の駆動の指標となりつつある皮膚反射法を用い、歩行機能再建に重要なヒト脊髄CPG回路が受動歩行時においても駆動するのか否か、さらには積極的なヒト脊髄CPGの駆動を引き出すような受動歩行運動の条件を探ることを目的とする。本年度は、その基礎研究として健常成人を対象に脚部に加わる荷重効果について検討を加えた。受動歩行は動力型歩行補助装置(Hocoma社製Lokomat)を用い、トレッドミル上での受動歩行(TS)と完全免荷による空中受動歩行(AS)の2課題であった。皮膚反射(脛骨および浅腓骨神経刺激)は、受動歩行位相(10位相)に着目し、前脛骨筋(TA)の筋電図活動から得た。その結果、AS課題ではTA皮膚反射振幅は歩行位相に依存しなかった。しかしながら、荷重が脚部に加わるTS課題では歩行の位相に依存した皮膚反射動態が生じた。また、浅腓骨神経刺激では、抑制性反射成分が促通性反射に転じる、いわゆる"反射の逆転現象"が確認された(TS課題)。これらの2つの現象はヒト脊髄CPG回路の駆動を強く示唆するものであり、受動歩行運動によって生じる末梢性感覚情報、特に荷重に関連した感覚情報がヒト脊髄CPG回路を駆動させる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)