2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴画像法を用いた体幹部深部筋の活動様相評価法の確立
Project/Area Number |
19700465
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
俵 紀行 National Agency for the Advancement of Sports and Health, スポーツ医学研究部, 研究員 (30344279)
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Keywords | 骨格筋 / 磁気共鳴画像 / 運動 / 体幹部深部筋 / 活動様相 |
Research Abstract |
磁気共鳴画像法(MRI)を用いた運動による骨格筋の活動を定量評価するには,MRIのパラメータのひとつである横緩和時間(T2値)という指標が活用されている。T2値は組織特異性を示す値であり,MR画像から運動負荷前後の筋のT2値を計測することで,運動により活性化した筋を程度とともに特定できるという利点を持つ。 しかしながら,T2値算出ための一般的な撮像法はスピンエコー法(SE)もしくはマルチプルスピンエコー法(MSE)が使用されるため,撮像時間には数分要する。そのため,呼吸停止時間に限界がある体幹部の筋は計測できなかった。 そこで,本年度は,MSEと同等の画像コントラストを有するといわれる高速撮像法であるスピンエコー系エコープラナーイメージング(SE-EPI)をT2値計測に活用するための条件瀬低に関する検討を行った。 本年度に施行した研究により得られた成果としては,高速撮像法をT2値計測に適応するに当たっての問題点及びその解決法である。具体的には次に示すとおりである。1.MR信号を収集するエコー時間(TE)は,75ms以下であれば,筋のMR信号において,SE-EPIとMSEとの間には相違がないことである。2.また,計測点の数も3点ないし4点以上であれば,筋のT2値算出には問題ことも実験的に証明できたことである。3.加えて,繰り返し時間(TR)も,筋についてはTR=2000msの短い時間の設定で問題なかったことである。 通常MRIから得られるMR信号のみでは,定量評価を行うことができず,別途T2値を算出する必要があるが,運動負荷前後の信号利得を一定にすることで,運動により活性化した筋を同定可能であることも明らかにできた。 以上の結果より,高速撮像法を用いたT2値計測は可能であり,撮像時間の大幅な短縮は可能であることを明らかにすることができた。
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Research Products
(4 results)