2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のレジスタンストレーニング支援のための運動機能評価システムの開発
Project/Area Number |
19700468
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
水戸 和幸 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (90353325)
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Keywords | 筋電図 / 筋音図 / 筋線維伝導速度 |
Research Abstract |
高齢者の健康の維持・増進を図るために適度なレジスタンストレーニングの重要性が示唆されている.しかし,筋機能の低下した高齢者がレジスタンストレーニングを行うには,各個人の健康状態や運動能力を考慮した上での最適なトレーニングプログラム設定および機器選択が必要となる.本研究では,高齢者の運動能力に配慮したレジスタンストレーニング手法の確立を支援すべく,筋の詳細な筋機能情報を獲得することにより,レーニング時の筋活動状況や筋疲労状況を的確に把握し,その情報を定量値として訓練者にフィードバックする"運動機能評価システム"の開発を最終目標としている.本年度は,(1)加齢に伴う筋萎縮や選択的な速筋線維の減少といった筋量の減少が筋力および筋持久力に及ぼす影響と筋活動様式との因果関係の解明,(2)運動負荷レベル毎の筋活動度や疲労度の推定と,情報をフィードバックする筋機能評価システムの開発,について研究を行った. (1)に関して,筋力と筋音図の周波数特性は,若年者群よりも高齢者群で低周波化し,持久力(疲労)に関しても若年者よりも高齢者の方が周波数領域での変化が顕著であった.この結果は,加齢による速筋線維の選択的減少を反映していることに加え,関節運動による振戦の混入が顕著になったと推測した.(2)に関して,筋電図および筋音図の振幅および周波数情報と持続時間との回帰分析を行い,発揮筋力毎の筋疲労の閾値推定を試みた.筋電図の振幅と周波数,および筋線維伝導速度から閾値を推定することができた.ただし,筋音図による疲労閾値の推定は,関節運動による外乱的な振動成分の影響が大きく,困難であった.
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