2008 Fiscal Year Annual Research Report
体育教師の「実践的指導力」の向上を目指したアセスメント・モデルの開発
Project/Area Number |
19700490
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩田 昌太郎 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 講師 (50433090)
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Keywords | 体育教師 / 実践的指導力 / eポートフォリオ / 教育実習 / アセスメント・モデル |
Research Abstract |
本研究は、2つの研究課題を設定して研究を進めた。その内、研究課題(1)では、国内外における「eポートフォリオ」を教育実習に取り入れている先駆的な大学を調査した。研究課題(2)では、それらの知見を基に、体育教員養成における新しい教育実習のアセスメント・モデルを開発することを目的とした。本年度は、研究課題(2)を中心に遂行した。簡易的に自作PCにおいてサーバーを立ち上げ、学生のリフレクション能力について、その成果を実証した。 しかしながら, 教員養成にeポートフォリオを採用する際には, ハード面とソフト面の2つ側面に関する課題を克服していく必要性がある。まずハード面では、2つの問題点が考えられる。1点目は、カリキュラム(プログラム)の整備である。学部段階における学生が、身に付けておくべき知識や能力の到達度や具体的な評価内容が特定されなければ, ポートフォリオの機能はうまく活用できない。2点目は、eポートフォリオ・システムを運営・管理するセンターの構築と充実である。eポートフォリオは、ある程度の煩雑な操作技術が必要になる。したがって、それを苦手とする学生および大学教員も存在し、そのような学生や大学教員に対するテクノロジーに関する研修が必要不可欠である。次にソフト面であるが、これも2つの課題が考えられる。1点目は、大学教員間の連携と合意形成の問題である。優れた到達目標を設定しても、それを運営かつ評価する大学教員の意識や連携がなければ、eポートフォリオの内容も単発かつ端的な授業の蓄積にし過ぎない問題が生じてしまう。したがって、各大学教員が学内の研修会等の中でコンセンサスを得られるように努めることが期待される。2点目は、スーパーバイザーの養成である。多様なeポートフォリオのシステムに加えて、学生個々の到達度状況を把握するには、大学教員のみでサポートしていくには限度があると思われる。そこで、大学が雇用している専門職員(例えば、大学院生)や現役を退いた教師などをスーパーバイザーとして雇うことも必要である。
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Research Products
(9 results)