2008 Fiscal Year Annual Research Report
センサ技術を応用した泳動作ビジュアルフィードバックシステムの開発
Project/Area Number |
19700496
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
市川 浩 National Agency for the Advancement of Sports and Health, スポーツ科学研究部, 研究員 (20375463)
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Keywords | センサ技術 / 加速度センサ / 角速度センサ / ワイヤレスデータロガー / 泳動作分析 / 視覚フィードバック |
Research Abstract |
本研究課題はセンサ技術を応用した泳動作分析手法を発展させ、泳動作を視覚的にフィードバックするシステムを提案することを目的とした。 男子競泳選手6名を対象にクロール泳中の前腕部の加速度および角速度をセンサにより計測した。また、泳動作を5台のカメラで撮影し、画像による三次元動作分析を実施することでセンサ情報による泳動作推定の結果を検証した。 計測したセンサデータから、ストローク局面の時刻情報を推定し、腕入水後の1ストローク時間の自動抽出を実現した。センサによって計測した部位の姿勢角を四元数で表すものとし、計測によって得られる加速度および角速度に対する、姿勢角と並進変位との関係を数理モデルによって定式化した。1ストロークごとに上腕部の姿勢角および並進変位を推定し、三次元画像分析から得られたものと比較したところ、姿勢角はほぼ一致していることが確認されたが、並進変位については計算の際に与える初期速度によって差が生じた。今後、泳時間測定などの速度に関する簡易計測を付加することによって、より確実な泳動作の推定が可能となるものと考えられた。 センサデータから推定した姿勢角と並進変位を使用し、コンピュータグラフィックスにより、泳動作をアニメーション化するプログラムを作成した。手掌部と前腕部が一体の剛体であると仮定し、泳者座標系で記述した腕動作をアニメーションにより再現した。センサから得られた並進変位の推定結果に誤差があるものの、手掌および前腕部の回転運動が視覚的に再現された。一般的な水中映像では比較的視認しづらい細かい動作を高い時間分解能で再生できることから、トレーニングにおける効果的なフィードバック手法として応用できるものと考えられた。 これらの成果は身体の各部位に適用可能であり、下肢や体幹部において同様の計測を実現ことで全身のキネマティック情報を推定し、視覚的フィードバックが可能となる。
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