2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700502
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
樋口 貴広 Tokyo Metropolitan University, 大学院・ 人間健康科学研究科, 助教 (30433171)
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Keywords | 歩行 / 知覚運動制御 / 転倒予防 / 3次元動作解析 / 障害物回避 / 知覚トレーニング |
Research Abstract |
歩行中の転倒事故は,寝たきり高齢者を増加させる主原因の1つであり,その対策が急務である。本研究では,転倒の危険性が高い障害物回避の場面に着目し,暗い道あるいは両手に荷物を持って足元が見えない条件など,視界が制限された状況において安全に障害物を回避するための知覚トレーニング法の構築を目指した。具体的なトレーニング方法として,目隠しによって視覚情報を一時的に遮断した状態で,障害物回避訓練を一定期間継続してもらい,視覚に過度に依存しない歩行方略を獲得させることを目的とした。歩行通路は6mの直線路であり,歩行開始地点から4m前方の位置に高さ5-20cmの障害物を設置した。歩行開始直後,液晶シャッターゴーグルを用いて視覚情報を遮断した。参加者は視覚情報が利用できない状況で,障害物があると思われる地点で回避動作を遂行した。障害物の回避動作について3次元動作解析を行い,得られた結果を通常の歩行時の動作結果と比較した。その結果,視覚を遮断した条件では通常の歩行時に比べて,歩幅を狭くして歩数を増やす歩行方略を選択することがわかった。この方略は,通常の歩行よりも再現性の高い歩行方略であるため,暗い室内を歩くなど,転倒の危険性の高い場面での安全な歩行に寄与しうる。よって,本研究で採用したトレーニング自体は,視界が制限された状況で適切な方略を選択させるための訓練法として有用である可能性が示唆された。しかし,短期間での歩行訓練では,視覚遮断状況での障害物の回避率が向上しなかったことから,今後,訓練の期間や方法に改善が必要と思われる。
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Research Products
(4 results)