2007 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的成熟度を考慮した球技系トップアスリートのタレント発掘指標
Project/Area Number |
19700510
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
広瀬 統一 Waseda University, スポーツ科学学術院, 講師 (00408634)
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Keywords | スポーツ科学 / タレント発掘 / 発育発達 / 認知科学 |
Research Abstract |
これまで球技系トップアスリートのタレント識別指標について主にサッカーを中心とした研究はいくつか散見されるが、その多くがレトロスペクティブな調査であることにより明確な指標は見出されていない。また、成長期に見られる成熟度の個人差が成長期アスリートを対象としたタレント識別指標の開発を難しくしていることも事実である。したがって本研究ではプロスペクティブな研究形態により、生理学的要素の中でも比較的早期に発達し、サッカーのパフォーマンスとも関係すると考えられている中枢情報処理能力やスピードを用い、成長期サッカー選手を対象としてタレント識別指標の検討を行った。また成熟度の遅速を考慮するために骨年齢を評価した。測定は11歳から15歳の間に行い、18歳の時点でのパフォーマンスレベルによりプロ、大学、地域の3群に分類して全測定項目を比較検討した。 その結果選択反応時間の中でも手足複合条件(プロ:大学:地域;561.6±59.7:612.6±59.7:692.3±120.0sec.;p<0.01)でプロ群(p<0.01)、大学群(p<0.05)が地域群よりも有意に速い値を示した。しかしその他の条件では有意な群間差が認められなかった。また、身長、体重、骨年齢一暦年齢、ステッピングスピード、ステッピング持久力にも群間差は認められなかった。 以上の結果はタレント発掘という分野で不足していた、プロサッカー選手になるために低年齢で必要な資質について、成熟度の個人差を考慮して新たな知見を加えたという点で非常に意義深いものと考えられる。
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