2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウォーミングアップによって遅発性筋痛を軽減させる方法の提案
Project/Area Number |
19700511
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
瀧澤 一騎 Niigata University of Health and Welfare, 健康科学部・健康スポーツ学科, 助教 (90410258)
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Keywords | ウォーミングアップ / 遅発性筋痛 / 伸張性収縮筋活動 / スポーツ障害 |
Research Abstract |
一般に「筋肉痛」と呼ばれる遅発性筋痛(DOMS)は, 運動後1日〜3日後にピークに達する筋痛を指し, 伸張性収縮筋活動後に生じる. その原因のひとつに, 伸張性収縮筋活動は等尺性収縮や短縮性収縮と比較して活動する筋線維数が少ないことが考えられている, 主運動時の筋線維動員はウォーミングアップ(W-up)によって変化する. したがって, 伸張性収縮筋活動前のW-upは筋線維動員形態を変化させ, DOMSの緩和につながる可能性がある. そこで, 本研究ではW-upがDOMS軽減につながることを実験的に検討した. 本研究では健康な男子大学生12名を対象として実験を行った. 実験はW-upを行ってから伸張性収縮筋活動を行う条件(WU)と, W-upを行わずに伸張性収縮を行う条件(NW)の2条件であった. 全ての被験者は方腕ずつ両条件を行った. WU条件はハンドエルゴメータによって心拍数が毎分120拍になるW-upを10分間行い, その後上腕二頭筋の伸張性収縮筋活動を行っことでDOMSを発生させた. NW条件は一切のW-upを行わずにWU条件と同負荷の伸張性収縮筋活動を行ってDOMSを生じさせた. 実験前と伸張性収縮運動直後, 1日後〜5日後まで毎目DOMSの指標を測定した. 結果として, W-upを行うことで伸張性収縮筋活動直前の上腕二頭筋温は有意に上昇した(WU vs. NW : 36.8℃ vs. 35.4℃). しかし, visual analog scaleによって測定したDOMSによる痛みは, 伸展痛・屈曲痛・筋腹圧痛のいずれにおいても条件×経過時間(日数)に交互作用は認められず, またWUとNWの水準間における主効果も認められなかった. この結果から, 本研究で行ったW-upでは, 伸張性収縮筋活動によるDOMSを軽減することはできないといえる.
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