2008 Fiscal Year Final Research Report
Construction process of coach's narrative and social construction process of coaching
Project/Area Number |
19700513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sports science
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Research Institution | Kyushu Lutheran College |
Principal Investigator |
UMEZAKI Takayuki Kyushu Lutheran College, 人文学部, 准教授 (00350439)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Keywords | 競技スポーツ / 社会文化的視点 / 選手名を呼ぶ行為 / 指導の構成過程 / 指導の相似的現象 / 指導の協働 |
Research Abstract |
競技スポーツにおける指導の構成過程を,Process-Product的な研究に代わり,社会文化的な視点によって検討した。サッカーチームの1シーズンを対象としたフィールドワークを実施し,主たる指導者であるチームの監督の,指導中に選手名を呼ぶ行為に焦点化した分析を行った。この結果,指導者の固定した働きかけが,量的・質的に確認された。一方,選手を対象としたインタビューの分析から,指導者の評価もまた,選手間で相互に構成され,固定性を帯びている可能性が示唆された。以上の結果から指導の固定性は,単に指導者の責任に帰することはできない。むしろ,場を構成する〔教える者‐教えられる者〕間の相互行為の産物と捉え,指導者は無自覚な実践を脱却できるよう,選手は必要な働きかけを享受できるよう,場を多声的な状況に変えていく必要が考えられた。そこで,監督を支えるコーチの発話を含めた分析を行ったところ,指導の相似的現象の回避を前提とした指導の協働に,場を多声的な状況に変えていく可能性が見出せるとして,今後の検討課題とされた。また,ダイナミックなスポーツ文脈を対象とした研究の課題についても議論された。
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