2008 Fiscal Year Annual Research Report
子どものレジリエンス向上に及ぼすスポーツ活動の効果
Project/Area Number |
19700515
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Research Institution | Niigata Women's College |
Principal Investigator |
渋倉 崇行 Niigata Women's College, 幼児教育学科, 講師 (30288253)
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Keywords | レジリエンス / スポーツ / 子ども / 質的研究 / 実践的研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 子どものレジリエンス(resilience)向上に及ぼすスポーツ活動の効果を理論的, 実践的に検討することであった. そのため, 本年度はクラブ活動や部活動に所属している小学生431名(男子214名, 女子217名), 中学生587名(男子286名, 女子301名)を対象に質問紙調査を行った. 具体的な研究目的としては, 既存のレジリエンス尺度(石毛・武藤, 2006)を再構成した質問項目を用い, 児童生徒のレジリエンスが彼らの部活動成長感に及ぼす影響を検討することであった. 本研究では, この検討を運動部員と文化部員に分けて行った. 結果として, 以下のことが明らかとなった. レジリエンスを表す3下位尺度を説明変数, 部活動成長感尺度を基準変数として重回帰分析を行った. 運動部員について分析したところ, (1)小学生では, レジリエンス尺度の「意欲的活動性」と「楽観性」が部活動成長感に正の影響を及ぼしていた. 中学生では, これらに「内面共有性」を加えた全ての下位尺度が正の影響を及ぼしていた. また, 文化部員について分析したところ, (2)小学生では, レジリエンス尺度の「意欲的活動性」が部活動成長感に正の影響を及ぼしていた. 中学生では, これとは反対に「内面共有性」と「楽観性」が正の影響を及ぼしていた. これらの結果から, 児童生徒の部活動成長感は彼らのレジリエンスの影響を受けるということが明らかとなった. しかし, それらは運動部員と文化部員とでは異なっており, また小学生から中学生への移行に伴う変化もみられることが指摘された. このように, 児童生徒が部活動で成長感を得るためには, レジリエンスの影響を受けるが, 必要なレジリエンスは活動内容や年代によって異なるということが示された.
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