2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700522
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土持 裕胤 Hiroshima University, 大学院・保健学研究科, 助教 (60379948)
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Keywords | 動的運動 / 交感神経活動 / 副腎髄質 / アドレナリン |
Research Abstract |
運動時の心循環応答は神経性調節と液性調節による。この神経性調節はセントラルコマンドと呼ばれるフィードフォワード制御の影響を受けることが報告されている。一方,セントラルコマンドによる液性調節の制御機構は不明であった。そこで本研究は,液性循環調節に重要な副腎髄質機能がセントラルコマンドによってどのように調節されているのかを明らかにすることを目的とした。 麻酔下ラットを用い,セントラルコマンドの発生部位の一つとされる視床下核歩行誘発野(SLR)を電気刺激することによりセントラルコマンドを誘発し,その時の節前および節後副腎交感神活動(AdSNA),筋血流量,血圧,および心拍数を計測した。また,副腎静脈血流量および副腎カテコールアミン放出量を従来よりも短い時間間隔で計測した。 SLR刺激は刺激強度依存性に節前および節後AdSNA,筋血流量,血圧,心拍数,および副腎カテコールアミン放出量を増加させた。節前および節後AdSNAは30SLR秒間のSLR刺激時に急激に増加した後,刺激終了とともに元のレベルへ戻った。副腎カテコールアミン放出量はSLR刺激30秒中に最大となり,刺激終了後には速やかに元のレベルへと戻った。 以上の結果から,副腎髄質からのカテコールアミン放出は副腎交感神経活動と密接に関係していることがわかった。また,副腎髄質からのカテコールアミン放出は従来考えられてきたよりも答が早いことがわかった。運動開始時にはセントラルコマンドが副腎からのカテコールアミン放出を増加させて,運動時の心循環機能を調節していると考えられる。 今年度に計画していた実験は終了し,現在,論文を作成中である。
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