2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管形成とミトコンドリア発達のシンクロナイゼーション機構
Project/Area Number |
19700524
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
我妻 玲 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, リサーチ・レジデント (00347121)
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Keywords | 血管形成 / ミトコンドリア / 筋再生 |
Research Abstract |
本年度は、骨格筋再生に伴う血管新生の制御機構を明らかにするため、マウスの下肢を凍傷により筋再生を誘発し、その後の血管形成過程を免疫組織化学的に解析した。同時に、筋分化制御因子及び血管新生制御因子の発現パターンをリアルタイムPCRにより解析した。凍傷後1,3,5,7,10,14,28日目に腓腹筋を採取し、組織化学的及び生化学的実験に用いた。凍傷3日後、筋繊維は壊死を起こし、マクロファージ等の炎症性細胞の浸潤が観察された。また、MyoDとMyf5の発現レベルが増加していることから、骨格筋由来の幹細胞であるサテライト細胞が筋再生に伴い活性化されていると考えられた。血管内皮細胞のマーカーであるCD31陽性細胞は急激に増加し、血管内皮細胞増殖因子であるVEGFとその受容体(Flt-1,KDR/Flk-1,neuropilin-1)、血管構造安定化に関与するangiopoietin-1、angipoietin-2とその受容体(Tie-2)、単球/マクロファージの接着・浸潤に必須であるケモカインのMCP-1とその受容体(CCR2)の発現レベルがピークに達していた。これらの結果は、筋繊維の再生と血管形成はほぼ同時に起き、血管形成に必要な因子の発現は協調的に発現している可能性を示唆する。次に、毛細血管数と筋繊維の関係を詳細に調べるために、筋繊維周囲の毛細血管数を指標として、計測を行ったところ、筋繊維周囲の毛細血管数は凍傷後14-28日目の間に急激に増加すると同時に、筋繊維の肥大も起きることが観察された。これらの結果は、筋繊維周囲に毛細血管が十分に形成されることが筋繊維の肥大(成熟化)に必要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)