2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸の代謝活性によるミトコンドリア膜乳酸輸送タンパク質の適応変化
Project/Area Number |
19700533
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
榎木 泰介 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 講師 (70392701)
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Keywords | 生理学 / エネルギー代謝 / 乳酸 / タンパク質 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体がより効率よくエネルギーをつくるために、解糖系代謝と酸化系代謝を結ぶ乳酸に注目し、乳酸の代謝調節を解明することである。この研究課題について、本研究は2年間に渡る実験実施を計画している。その初年度となる平成19年度には、特に以下の課題について取り組んだ。 ・代謝活性モデルの測定評価システムの構築 本研究では実験動物を用いて、生体内のエネルギー代謝活性における乳酸の有効利用について検討する。そのために本年度は、実験動物の骨格筋よりミトコンドリアを単離精製し、そこからmitMCTを定量するための測定評価システムの構築に取り組んだ。骨格筋からのミトコンドリアの抽出方法については、申請者が2004年に在籍していたA.Bonen教授の研究室より、その詳細な情報を提供して頂いた。彼らの研究室は2007年に、骨格筋からミトコンドリアを抽出する方法(Journal of Physiology.582,1317-35)を、高精製度で達成しているが、その方法を本研究課題において再現すべく、課題に取り組んだ。まず本年度の上半期には、ミトコンドリア抽出と酸化能力測定に必要な器材や消耗品などを揃えることに努めた。特に実験機器については、所属するセンターだけではなく、東京大学・八田研究室にも多大なる協力を頂いた。さらに本年度の下半期には、実際にミトコンドリアの抽出を試行した。実験では、東京大学で動物を飼育し、実際に摘出した骨格筋を用からミトコンドリアを抽出する方法を確定することが出来た。 本年度の計画目標であった、代謝活性モデルの測定評価システムを構築することが達成された。これらの結果をふまえて、次年度には、実験動物を用いて、代謝活性を変化させたモデルを作成し、骨格筋におけるミトコンドリア膜乳酸輸送タンパク質の適応変化を検討する。
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