2007 Fiscal Year Annual Research Report
高度先端医療技術を用いたクーリングの基礎的検討:ガイドラインの構築に向けて
Project/Area Number |
19700535
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳澤 修 Waseda University, スポーツ科学学術院, 助手 (50371159)
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Keywords | クーリング / 骨格筋 / 運動 / 磁気共鳴映像法 / 冷却温度 |
Research Abstract |
目的:本研究は氷嚢による冷却と氷嚢よりも冷却温度の高い調温ゲルを用いた冷却が、運動後の骨格筋に及ぼす影響を比較検討することを目的とした。 方法:成人7名の足関節背屈筋群を対象とした。グループは運動後の処置により、無冷却群(運動後60分間無冷却)、氷嚢群(運動後20分間の冷却と40分間の無冷却)、10℃および17℃調温ゲル群(運動後60分間の冷却)とした。なお、被験者はすべてのグループに参加した。MRI装置を用いて、運動前、足関節背屈運動後、および処置後で下腿部の拡散強調横断画像とT2強調横断画像を得た。前者からはADC1(主として灌流を評価)とADC2(水分子の拡散を評価)を、そして後者からはT2値を算出した。 結果:処置後のADC (×10-3mm2/s)において、無冷却群は運動前の値(2.36)よりも有意に高いADC1(3.02)を示したが、氷嚢群(ADC1/2:運動前2.24/1.51、処置後1.95/1.4)、10℃ (ADC1/2:運動前2.4/1.53、処置後1.89/1.36)および17℃ (ADC1/2:運動前2.49/1.5、処置後1.84/1.34)調温ゲル群は有意に低い両ADC値を示した。さらに、これら冷却群は両ADC値において無冷却群よりも有意に低値を示したが、冷却群間での有意差はなかった。一方、すべての群が運動後に有意なT2値の上昇を示したが、処置後には有意差は認められなかった。なお、処置後のT2値において条件間での有意差はなかった。 結論:冷却は運動後の骨格筋に対して、灌流の減少と水分子の拡散低下をもたらすことが明らかとなった。さらに、氷嚢よりも高い温度を用いても、処置時間を延長することで、痛みを感じることなく有効な冷却効果が得られることが示唆された。
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