2008 Fiscal Year Annual Research Report
高度先端医療技術を用いたクーリングの基礎的検討:ガイドラインの構築に向けて
Project/Area Number |
19700535
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳澤 修 Waseda University, スポーツ科学学術院, 助手 (50371159)
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Keywords | クーリング / 骨格筋 / 代謝 / 皮膚温度 / 磁気共鳴映像法 / 近赤外分光法 |
Research Abstract |
本研究は、クーリングが皮膚温および筋代謝に及ぼす影響を異なるクーリング温度で比較検討した。男性7名(平均24.9歳)の足関節背屈筋群を対象とした。クーリングは、低温恒温水槽(LTB-400、アズワン)に接続されたクーリング用パットを用いて30分間行った(温度0℃、10℃、20℃)。クーリング前、直後、およびクーリング30分後でMR撮像(拡散強調画像、T2強調画像)を行った。拡散強調画像から水分子の拡散状態(apparent diffusion coefficient : ADC)を、そしてT2強調画像から筋の水分レベル(T2値)を評価した。加えて、近赤外分光装置(NIRO-300、浜松ホトニクス)を用い、筋のヘモグロビン酸素動態(ミオグロビンを含む : Hb/Mb)を測定した。さらに、皮膚温センサーを被験筋上に貼付し、クーリング前後の皮膚温を測定した。ADC値、各Hb/Mb(総、酸素化、脱酸素化)濃度および皮膚温は、クーリングによって低下し、その低下率はクーリング温度に依存する傾向を示した。なお、低下した皮膚温や総・酸素化Hb/Mb濃度は、クーリング30分を経てもクーリング前の値に戻らなかった。一方で、T2値はクーリング前後で有意な変化を示さなかった。クーリングは皮膚温を低下させるだけでなく、筋の微小循環や水分子の拡散状態も低下させる。そして、その低下率はクーリング温度に依存することが示唆された。加えて、組繊への冷却効果は、20℃のクーリング温度でも冷却後30分間は維持されることが明らかとなった。
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