2008 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの身体活動増強のための学校,家庭,および地域の連携プログラムの開発
Project/Area Number |
19700537
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上地 広昭 Yamaguchi University, 教育学部, 准教授 (60367084)
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Keywords | 行動変容 / 家庭 / 小学生 / 身体活動 / 運動 / サポート |
Research Abstract |
本年度は, 家庭における子どもの身体活動量を増強させるためのサポートに焦点を当て研究を進めた。 まず, 保護者が行うサポートの種類について検証を行った結果, 「励まし・促進」と「モデル・参加」の2種類のサポートがあることを明らかにした。また, それらのサポートについて, 保護者の実施パターンを見てみると, 「モデル・参加不足型」, 「全サポート不足型」, 「励まし・促進不足型」, および「全サポート充足型」の4つのパターンが示された。「全サポート不足型」の家庭は, 「モデル・参加不足型」および「全サポート充足型」の家庭に比べて, 子どもの身体活動水準得点が有意に低い得点を示した。しかし, 「全サポート不足型」の家庭と「励まし・促進不足型」の家庭の間には有意な差は見られなかった。このことは, 保護者の「モデル・参加」は, 子どもの身体活動水準に及ぼす影響がそれほど強くない可能性を示しており, 子どもの身体活動水準を上げるためには, 保護者の「励まし・促進」がより重要である可能性が示唆された。このことは, 子どもの身体活動とソーシャル・サポートの関連性を調査した先行研究における, 最も強力な予測変数は, 「両親の励まし」であるという報告を支持している. 特に, 子ども自身による自己報告での身体活動と両親の励ましとは関連が強いことから, 両親の励ましに注目することが子どもの身体活動を増加させるために重要であると考えられている。 来年度は, 子どもの身体活動量を増強させるために, 学校および地域からの働きかけも考慮した, 学校・地域・家庭の三者連携プログラムの開発を行う予定である。
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