2008 Fiscal Year Annual Research Report
動脈スティッフネスの増加を抑制する筋力トレーニング法の考案
Project/Area Number |
19700539
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Research Institution | Kinki Health Welfare University |
Principal Investigator |
岡本 孝信 Kinki Health Welfare University, 社会福祉学部, 教授 (40330518)
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Keywords | 動脈スティッフネス / 筋力トレーニング / 伸張性収縮 / 短縮性収縮 |
Research Abstract |
本研究の目的はスローリフトによる低強度(最大挙上重量の50%)の筋力トレーニングにおける負荷の上げ(短縮性収縮, CON)下げ(伸張性収縮, ECC)時間の相違が動脈スティッフネス(硬化度)に及ぼす影響について検討することである。30名の健康男性をECCに費やす時間を長くする群(ERT)10名、CONに費やす時間を長くする群(CRT)10名および対照群(SED)10名に分類した。ERT群は筋力トレーニングにおいて負荷を下ろす時間を6秒、負荷を持ち上げる時間を3秒に設定したプロトコールにてトレーニングを実施した。CRT群は筋力トレーニングにおいて負荷を下ろす時間を3秒、負荷を持ち上げる時間を6秒に設定したプロトコールにてトレーニングを実施した。筋力トレーニングは週に2回の頻度で10週間実施した。ERT群およびCRT群のトレーニング後の脈波伝播速度はトレーニング前と比較して有意に減少した。一方、ERT群およびCRT群のトレーニング後の血管内皮機能はトレーニング前と比較して有意に増加した。中でもCRT群の変化はERT群よりも顕著であった。以上の結果から、ERTおよびCRTのいずれにおいても動脈スティッフネスは減少し、内皮機能は向上するが、より負荷を持ち上げる時間を延長することによってその効果が増加することが示唆された。すなわち、スローリフトによる低強度の筋力トレーニングにおいては、負荷をゆっくり持ち上げるトレーニング法を実践することによって動脈機能が向上することが明らかになった。
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