2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700542
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
足達 哲也 Kobe University, 医学部, 助教 (60345014)
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Keywords | GLP-1 / GPR120 / 消化管ホルモン / 脂溶性リガンド / GPR30 / ERK |
Research Abstract |
脂溶性化合物をリガンドとする受容体は核内および細胞膜に存在し、さまざまな生理活性を有することが報告されてきている。本年度は昨年度に引き続き、生活習慣病に関連する臓器において、脂溶性リガンドの機能を明らかにすることを目的とした。 GPR120のリガンドであるα-linolenic acid (LA)を効率よく消化管下部まで送達するために、カルシェル技術を用いてLAを豊富に含むエゴマ油をコーティングしたものをC57BL/6マウスに投与したところ、非コーティングエゴマ油に比して、GLP-1の持続的な分泌亢進が確認された。本研究により、LAおよびその類縁体の製剤化により、消化管ホルモンの効率的を促すことによって、糖尿病の治療および予防につなげられる可能性が示された。 脂肪細胞モデル3T3-L1、骨格筋細胞モデルC2C12、肝細胞モデルHuh-7.5において、エストロゲンをリガンドとするGPR30の発現を確認した。これらの細胞について、生体内脂溶性物質として性ホルモンである17β-Estradiol(E2)、Debydrotestosterone処理を施した。その結果、1μME2処理において、各細胞でERKのリン酸化の促進が認められた。分化機能を有する3T3-L1およびC2C12について1μME2処理を行ったが、分化への作用億認められなかった。今後はこれら細胞についてエストロゲンの詳細な作用について検討を行う。 また、C型肝炎ウイルス(HCV)は肝臓の代謝異常を招くことが臨床的に報告されているので、本年度において、Huh-7.5にHCVを感染させることによって、さまざまなリガンドの作用について検討した。現在、リガンド刺激条件の検討を行っており、今後は各種リガンド刺激におけるHCV感染作用と細胞内代謝について詳細な検討を進める。
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